174 旧魚市場

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旧宮古魚市場、解体工事始まる 「販売所」として親しまれ
2012年2月17日 毎日新聞 地方版
 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮古市臨港通の旧宮古魚市場の解体工事が始まった。
戦前から「販売所」と呼ばれたかつての漁業の拠点施設で、地元の人たちが懐かしそうに見入っている。
 宮古港の岸壁にある旧宮古魚市場は津波の直撃を受け、小型漁船が屋根まで乗り上げるなど3棟の建物と2棟の貯氷冷蔵工場が損壊した。
1960年の完成で、土地も建物も宮古漁協が所有。
96年に新しく宮古市魚市場が隣接の出崎ふ頭に公設民営で開設されるまでは水揚げする漁船でにぎわい、宮古の基幹産業を支えた。
 魚市場移設後は旧本事務所があった北側の鉄筋コンクリート3階建ての建物(延べ床面積4522平方メートル)に漁業団体などの事務所が入り、他の建物も買い受け人らの荷さばき所に使われていた。
 解体するのは損傷が比較的少なかった南側の建物を除く施設。
震災後も一部の買い受け人らが使用していたが、立ち退いてもらった。
鉄柱や屋根などを壊す重機の音が響く。
 岸壁に係留するトロール漁船の乗組員や通りかかった住民らが作業を見守っている。
年配の男性は
「この施設ができたころは宮古港はサンマ漁船の全国一の基地だった。
花火を合図に一斉に出漁する光景は勇壮で、忘れられない」
と懐かしんだ。
 宮古漁協によると、更地にした後の利用計画は決まっていない。
ただ、震災で地盤が50センチ前後沈下しているとみられることから、地盤がかさ上げされ、防潮堤も造られる可能性が高いという。【鬼山親芳】