175 浄土ヶ浜ターミナルビル 解体へ


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■浄土ケ浜ターミナルビル:宮古の観光シンボル解体 老朽化進み、震災で傷
◇抵当権者が解除同意へ
2012年2月16日 毎日新聞 地方版
 宮古市の景勝地、浄土ケ浜の玄関口にあって、老朽化が進む浄土ケ浜ターミナルビルが解体される見通しとなった。
建物に抵当権を設定する金融機関が抵当権解除に同意する意向を示したことで、所有会社「浄土ケ浜ターミナルビル」(破産手続き中)から市への無償譲渡の見込みが立った。
市民や観光客に40年近く親しまれた観光宮古のシンボル施設が消える。【鬼山親芳】
 傾斜地を利用した鉄筋コンクリート造り3階建て(延べ床面積1985平方メートル)で、岩手県北自動車や地元経済人らが出資の同社が1973年、市から土地を借りて建てた。
浄土ケ浜第1駐車場から続く屋上部分は眺望が楽しめる展望台として人気を呼び、大食堂や売店もにぎわった。
 しかし、観光客の減少とともに会社の経営が行き詰まったことから、市は抵当権設定の老朽建物が観光地に残るのを心配。
昨年5月、建物の撤去と土地の明け渡しを求めて提訴したが、直後の会社の破産手続き開始決定を契機に宮古信用金庫など抵当権者から解除に同意が得られる見通しとなった。
 建物での営業は10年12月から取りやめ、岩手県北バス観光船事業部が入居している。
震災では、水道やトイレが使えなくなるなど傷みが一段と進んだ。
 市商業観光課によると、現在手続きが進められており、年度内に終わり次第、提訴を取り下げ、建物の無償譲渡を受ける。
解体時期は決まっていない。
松舘仁志課長は
「解体には2億円近い費用が見込まれる。
環境省が津波で被災した浄土ケ浜の整備事業を計画しているので、一体での跡地利用も検討したい」
と話している。